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 亀井昭宏前会長の勇退にともない、新たに会長に選任されました明治大学専門職大学院の上原です。本学会も会員皆様のご努力によって今日まで着実な発展を遂げてきました。それは、一方で、ダイレクトマーケティングが、流通・マーケティングにおける比重を大きく高めてきたことと深く関連している、ということができます。これからはダイレクトマーケティングが、ICTの発展を基盤として、流通・マーケティングのメインストリームに位置付けられるだけでなく、流通・マーケティングのあらゆる側面にダイレクトマーケティングがかかわってくるようになります。

 流通・マーケティングの変化は、現象的には売り手と買い手との関係の変化であり、内実的には関係構築にかかわる組織化の変化だといえます。これからはICTの革新が続くこともあって、売り手と買い手との関係は大きく変わっていくことが予想されます。このことに関して、私がいつも述べていることを紹介してみましょう。
 まず、ICTの革新はモノと情報を分離させ、情報の授受を瞬時化するため、売り手と買い手の結びつき方を大きく変えていきます。メーカーも卸売、小売も、消費者と直接しかも容易にコミュニケーションできるようになり、どの流通段階でもダイレクトマーケティングを展開できるようになっていきます。いままでは主として小売が集客して、消費者と接する役割を担い、これにメーカーや卸売が関係づけられていましたが、それが大きく変わることになるでしょう。しかも、いずれの流通段階も個々の消費者の異なる要求を汲み取ろうとする、いわゆる個別対応型マーケティングの展開が可能となっていきます。
 次に、上述のことは、メーカー・卸売・小売の間で消費者を獲得する競争を激化させることになりますが、そのことが、一方で、彼らの連携・統合を推進していく方向にも作用するはずです。すなわち、メーカー・卸売・小売の各々は、技術開発、生産、品揃え、物流、その他サービス等のうちどの分野で優位性を築き、どの分野を自社に取り込むか、という点についての決定を行ないつつ、他主体と連携・統合を図ろうとする動きが強まり、これが強力なサプライチェーン構築の契機となっていくと思われます。すなわち、これからは、ダイレクトマーケティングの展開が業界再編成のトリガーになることを意味しているといってよいでしょう。

 これからのダイレクトマーケティングの研究には以上のような広い視野と新しい分析視角が必要となり、これに挑戦することが本学会の地位を高めていくことになります。皆様のご努力とご協力により挑戦的な学会にしていきたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。

2011年7月吉日
日本ダイレクトマーケティング学会 会長 上原 征彦




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